組織を進化させる為の二者選択 ①

人事

あなたの会社が目指すのは「進化」それとも「成長」?(その1)

今回から「組織を進化させる為の二者選択」と題して、組織力のUP、ひいては経営力をUPさせる為の二者選択シリーズをお送りします。2つのキーワードを比較し、経営者であるあなたならどちらを選ぶかを考えて下さい。なかには第3の答えがある場合も。

「進化」と「成長」は違う

第一回目は「進化」と「成長」です。「君は成長したね」というように「どちらも同じ」だと思って同義語的に使っている人も多いようですが、この二つには大きな違いが。

「成長」とは大きくなったり成熟することであり、企業で言えば売上や収益がUPしたり、企業規模が大きくなること。「進化」とは環境の変化に適応したり、優位な立場に立つ為に「変化」することであり、企業で言えば事業環境や顧客ニーズの変化に応じてビジネスモデルを変えていくことです。

進化なしで成長した会社は破綻する

成長している企業は必ず進化をしています。その逆はありません。また、突然に進化することもありません(但し、再生企業のように既存のビジネスを破壊することでイノベーションを起こして突然変異をする場合も)。 

確かに進化をしないで成長(大きくなった)している会社もあります。家電販売業界や家具販売業界には規模こそ大きくなった(成長)会社はあるものの、ビジネスモデルは変わらない(進化していない)会社を見かけます。百貨店も同じ。パチンコ業界もそうです。しかし、そのような会社は長い目で見れば必ず破綻しています。

進化しない会社の崩壊は組織から始まる

進化をせずに図体だけ大きくなった会社は必ず組織の停滞から始まり、既存のやりかたに固執する幹部が増え、イノベーションを生み出す人材が逃げて行き、ついには何かのきっかけ(例えばコロナ禍)によって経営危機を迎えることになるのです。オールドビジネスと言われる既存の業界で事業を営む会社の多くがそのような問題を抱えています。では、どうすれば自社を進化させることができるのか?次回はその方策を紹介したいと思います。

(執筆:瀬本博一)