梅雨空が続いています。円安、物価高も加わり何となく心の中も梅雨状態の経営者の方も多いいことと思います。
しかし、世の中がどうあれ、私たち中小企業は自社を存続させるために、さらに懸命の経営努力をしなければなりません。
そのためには、次の4点がキーとなります。
①売上を現状より2割増やすこと
②社会変動の影響が少ないビジネスモデルを構築すること
③社内に発生するムダを徹底的に排除すること
④社長を中心として全社員が同じ方向を向いて行動すること
ただ、このようなことを口で唱えることは簡単。大事なことは、そのために具体的に“何を”“どのように”するか。それも“単発的にではなくて戦略的に”。
そこで、先ずは今の売上を1.2倍にすれば、経営者の悩みのほとんどは解決すると私はいつも申し上げております。もちろん、厳しい資金繰りも解決されます。
しかし“売上よ、増えろ、増えてくれ!”といくら拝んでみても決して増えてくれません。必要なことは“売上を増やす戦略(売るための仕組みづくり)”を練ってみましょう。
次に、売上を増やすための増販戦略として、まず考えなければならないことは、どこに重
点をおいて売上を増やすか、という増販方針です。
売上増加を考える時下記の「売上増加方程式」を理解すると、何に注力すればよいか、ということが明確になります。
<売上増加方程式>
①売上アップのための5要素式
②売上計画策定式(B to B)
ただし、気を付けなければならないことは、既存客は時間の経過とともに“償却”していくということです。
顧客に対してこれまでと同じような接し方やサービスをしていると、1年間で前年の8割くらいまで減少してしまいます(つまり、売上が8割くらいに減るということです)。しかし、少しは対策を打つでしょうから1割減、つまり前年の9割くらいに減ります。
こんな考えのもとに、それぞれの要素について次の様に見通し、計画を立てるとします。
①現在100社ある既存顧客が年10社減少
②その代り残った既存顧客の売上を2割程度の深耕策をとる
③さらに新規顧客を10社開拓する
これらの条件をもとに、この先3年間の売上を見通しますと下表の様になります
この表によりますと、現在の年商120百万円が2年後には年商146.4百万円となり122%
アップできる計画であることが分かります。つまり“現在の売上を1.2倍にする”という経営者の方針が達成されることになります。
前述しましたように、“売上よ、増えろ、増えてくれ!”と拝むのではなく、このように考え方を数字でまとめてみますと、“わが社は何をすれば良いのか”ということが一目で分かることになります。 ぜひ、この考え方を活用して“売上を1.2倍”にしてください。