あなたの会社が欲しいのは
「イノベーション人材」それとも「コンサバ人材」?(その3)
VUCA時代に進化できる会社を創る人材とは
「コンサバ人材」だけだと会社は進化しない
コンサバとは「コンサバティブ(conservative)」の略で「保守的」あるいは「無難」であるという意味で、多くはネガティブな意味で使われています。筆者はよく「イノベーション人材」の対極にある人を「コンサバティブ人材」と言っています。すなわち、過去の成功体験、業界の常識に固執して新しいやりかた、考え方を否定する人たちです。このような人達だらけだと会社は進化しないし、優秀な人材が逃げていくことになります。「下り坂のエレベーター」に乗っている業界で事業を行う中小企業の中では経営者はもとより社員、とくに幹部社員の思考がコンサバティブになっている場合が多いのです。
「コンサバ人材」は悪ではない
しかし、見方を変えればコンサバティブであるからこそ確実な事業運営が行われ、会社の経営が成り立っているとも言えます。したがって「コンサバティブ」であることは決して悪いことではなく、「コンサバティブ人材」はけっして「悪」なのではなく、必要な人材なのです。
しかし、一方でイノベーティブな発想をする「イノベーション人材」の意欲や発想を妨害するボトルネックになり易いのも事実。特に若い世代の斬新なアイデアを会社の幹部が過去の経験や利益優先思考によって遮ることはどの企業でも見られる現象です。
役職が上がればコンサバになる
但し、現実には極端な「コンサバティブ人材」や「イノベーション人材」はあまり存在しません。入社当時は斬新な発想をしていた社員が責任ある立場になり経験を積むことでいつしかコンサバな思考や行動をせざる負えなくなったという場合が多いのです。しかし、そのような思考の幹部が増えることによっていつしか会社全体がコンサバティブな体質になってしまうケースが多いのも事実。経営者はもとより幹部社員も「事業を変化させていかないといけない」とは思っているのですが、具体的な施策の段階になるとどうしても「コンサバ」思考が頭をもたげてしまうわけです。
では、コンサバ人材を活かしながら、イノベーション人材を育てていくためにはどうすれば良いのでしょうか?これについて次回紹介したいと思います。