あなたの会社が欲しいのは
「自走型人材」それとも「指示待ち人材」? (その1)
どちらが良いかは社長で決まる
失敗を許さない組織は「指示待ち社員」が増える
このコラムの執筆時(5月24日)、TVでは阿武町の誤送金問題が騒がれています。自治体では未だにフロッピーディスクを使ってのやり取りをしていたことも驚きですが、誤送金問題が公になるまで一か月以上もかかったこと自体が問題ですよね。ここに公務員組織の課題が集約されているように感じます。
公務員組織の風土には「ミスをしない」ことが業務の大前提としてあります。公務員の仕事はちゃんとやっても褒められない、でも失敗すると批判を受ける。チャレンジをして失敗するよりも、決められたことを決められた通りに堅実に行うことが推奨される。したがって、自然に保守的、前例主敵になってしまうのは仕方がないことなのでしょう。当然、マニュアル順守の「指示待ち」職員が育ってしまう。
オーナー会社の多くは「指示待ち社員」だらけ
民間企業は違います。チャレンジしてどんどん失敗しなくては企業の進化はない。しかし、大半の会社においても「どんどんチャレンジして失敗しなさい」というような社長が少ないのも事実。そもそもチャレンジと失敗の繰り返しの中で会社の進化を目指せるのは資金的な余裕があることが前提。資金に限りがある中小企業ではそうそう失敗は許されない。特に社長がオーナーである場合は社長の指示は絶対です。
そのような会社においては、自分で考えるよりも社長の指示を遂行する「指示待ち社員」だらけになるのは仕方がないこと。
社長が「指示待ち社員」を増やしている
ところが会う社長、会う社長のすべてが「自社には自分で考えて行動できる社員がいない」と嘆いているのです。でもそんな社長の多くは自走派社員を増やす為に必要な「失敗を許す心理的安全性の担保」「意志決定の権限を個々人に与える」ことをしていません。つまり「自走型社員を増やしたい」という希望を持ちながらも、「指示待ち社員を増やす」行動をとっているわけです。結局、「指示待ち社員を増やしているのは社長だ」ということなのではないでしょうか。